ヤンキーとお姫様


小さい時の姫香を思い出した



「姫香、ないてばっかりいると
おうじさまこないよ!」



そう言うと姫香はすぐに泣き止むんだ



「ごめんね
もぉ、大丈夫!
何だったんだろう…」



オレが言う前に姫香は泣き止んだ



「姫香
大人になったね…」



「ん?
大人になんか、なってないよ…

一輝…
もう1回、手、繋いで…

手繋いでよ…」



テーブルの上に姫香が手を出した



握ろうとして出した手をオレは止めた



「ごめん…繋げない」



「なんで…?
手繋ぐぐらい、いいじゃん
昔は繋いでくれた」



「ごめん、今は無理…」



「なんで?
瑞樹の彼女だから?
また許可取って来いとか言うの?」



「いや…

今は、繋げない」



姫香の止まった涙が

また溢れてきたのがわかった



流れる前に

オレの肩に掛かってたタオルを

姫香に投げた



「ごめん姫香
繋げない…

ドキドキするから…」



姫香の顔はオレが投げたタオルで隠れてて

表情は見えなかった



泣いてる?



「ごめん…
オレ、今日おかしいわ

もぉ帰れよ
なんか今日、勉強すすまないし…」



タオルで顔を隠したまま

姫香は部屋を出て行った