ヤンキーとお姫様


バン!



呼吸と同時に

生徒会室に入って

オレは椎那を殴ってた



「キャー…」



隣の山田から声が聞こえた



「…ぃってえなぁー!」



「椎那…なんで殴られたか、わかるよな…?」



たった一発殴っただけなのに

100m走ったみたいに心拍数が上がってた



「長瀬、オマエ山田のこと好きだった?」



左頬を赤くして椎那が言った

コイツ、本当のバカ?



「あ?」



バン!



もう一発殴った



「長瀬くん、やめてよ…」



横から山田の声がした



「髪、黒くしても
中身はヤンキーなんだな…
大学の推薦、大丈夫?」



口元についた血を拭いながら椎那が言った



「オマエに心配されたくねーよ!
大学なんて、どーでもいい

姫香は…?
姫香のこと、泣かすなよ!

アイツ、オマエのこと…

お願いだから…
もぉ姫香のこと…」