「失礼します」
「長瀬、もぉ弁当食ったのか?」
「いえ…」
腹なんて減らねーよ
「オマエ具合悪いのか?
今日、顔色悪いし
今回のテスト学年1位って…
おかしくなったか?」
「ハイ…たぶん…おかしいです
先生、オレおかしいです
胸が締め付けられるみたいな…」
「大丈夫か…?」
「たぶん…ダメです
先生、オレ…」
泣きそう…
「それでな…長瀬」
オイ!
無視かよ!
慰めろ!
「オマエ、今回のテストも良かったし
指定校推薦できるけど
進路考えてるか?」
「シテイコウスイセン?
何語ですか?それ…」
「大学考えてるだろ?
夏休み前に希望調査出すけど
どの辺、考えてる?」
考えて
ない
「どの辺…て…
椎那は?椎那は、どこ行くんですか?」
「椎那…?
アイツ今回1位取れなくて
かなり落ち込んでたけどな」
もっと落ち込んでるのはオレだけどね
「オマエと椎那の希望がかぶったら…」
「かぶったら…?」
「んー…アイツ生徒会長だしな…」
やっぱりその肩書き大事だよね
「あとは、推薦狙うなら
その髪、そのピアス、
夏休み中に正せ!
まぁ、考えてみろ」
「ハイ…
失礼しました」



