ヤンキーとお姫様


部屋に入ると

姫香はオレのベッドで

スマホを見てくつろいでた



コレもいつものスタイルだけど…



制服のスカートから出てる足を

バタバタさせてた



オレのベッドなのに
オレは遠慮気味にベッドの隅に座った



「あの人も、大学生?」



姫香がスマホを見ながら聞いてきた



あの人…

小室さんのことだってすぐわかった



「あー、うん…
もぉこっちにいないよ
きっと今頃、都会のアパートで
ひとりかな…
すぐに友達できるといいけど…」



「へー…」



「大学受かったら連絡するって言ったけど
まだ連絡してないから
きっと落ちたと思ってるだろうな…」



姫香に報告するまでは

なんとなく彼女に連絡したくなかった



「へー…
まだ付き合ってなかったんだ」



「うん…
3年間、オレのこと
好きでいてくれたんだって」



「へー…すごいね」(棒)



「すごいよね…」



オレは少し笑ったけど

姫香はずっとスマホを見てた



部屋に音楽が鳴り響いてた


ちょうど3曲目

ハイテンポな賑やかな曲


バラードじゃなくて救われた気がした



「連絡しなくていいの?
きっと待ってるよ

そこから付き合ったりするパターンかもよ!
遠距離になっちゃうね
一輝も都会の大学行けばよかったのにね」



姫香

ちゃんとそぉ思ってる?



セリフみたいに聞こえる



「けど…オレさ

3年以上、想ってる人がいるんだ

もしかしたら10年以上…」



「へー…
なにそれ…すごいね」(棒)



「…だろ
いつからだろう

ずっと隣にいたから、わからなかった
いるのが当たり前だと思ってたから…」



「へー…」



ちゃんと聞いてる?

オレ真剣だけど



興味ないか…



「だから、地元の大学を選んだ」



「もったいない
一輝なら、もっといい大学行けたでしょ」



いい大学の基準が

ずっと近くにいることだった



「うん、
オレは、いい大学に合格したと思ってる

姫香は…?
もぉ大学とか考えてる?

都会の大学行くの?」



姫香が地元に残らなかったら

オレの選択は無駄になる



「んー…まだ考えてないけど…

行っちゃうかもね

都会楽しそうだよね
ライブもこっちよりいっぱいあるし…」



「そっか…」



2年後

姫香は隣にいないのかも…