「会うことに問題はありません」

わたしの気持ちが落ち着くのを待って答えた彼はひとつ間を置き、視線を逸らすことなく続ける。

「吉見は内臓疾患ではなく外傷で入院しています。・・・階段からの落下事故で」

咄嗟に。誰かに突き落とされたのかと。問い詰めそうになった。

「ひどいケガなんですか・・・?!」

「新宮さんにはありのままをお伝えしますが」

三ツ谷さんはナオさんの様子を伝えてくれた、客観的に淡々と。そして最後にもう一度たずねた。会うかと。

「会います」

迷いはなかった。

「では行きましょうか」

おもむろに立ち上がった彼が初めて口の端を緩めたのを見た。

「あいつも会いたがってますから。あなたに」