リオンとメルキュールに言われ、僕はお昼ご飯を食べていなかったことを思い出す。それを思い出した瞬間に、体が空腹を教えようとしているのか、盛大にお腹が鳴った。

「冷めちゃったし、エリカに温め直してもらってこようかな」

僕はそう呟き、オムライスを手に部屋から出る。魔法を使えばあっという間に出来立てと同じように温かくできるんだけど、エリカの顔が見たくて……。

リオンとメルキュールがニヤニヤしていた気がするけど、気にしないようにした。

「先生、まだ食べてなかったんですか?」

リビングに行くと、編み物をしていたエリカが驚く。そりゃあ驚くよね。

「ごめん、執筆に夢中になっちゃってさ。悪いけど温め直してくれる?」

僕がそう申し訳なく言うと、「しょうがないですねぇ」とエリカは笑う。怒ることなく、温め直してくれるエリカの優しいところが好きだ。……ん?好き?

疑問を抱きつつ、僕はエリカと小説のことを話しながらお昼ご飯を食べ終える。そして、机の上に本を置き、全員で取り囲んだ。

「魂を喰らうたびに、僕の中から何かが消えていくような気がした」

僕が小説の冒頭を口にすると、白い光に全員が包まれた。