⭐︎⭐︎⭐︎



花の高校生になって、1週間が過ぎた。

同居生活は今のところ順調。

「真那ー、次移動教室だよ
 一緒に行こう!!」


「うん!いこうー」


「おい梓沙、俺のこと忘れんなよ」


「えーー、まこっちゃんは他の子と行ってよー」


「なんでだよ。俺は梓沙と行きたいの」


「はぁー。わかったから」

私の隣にいる真那はニヤニヤと私たちを見ている。

「私はおじゃま虫ですね、んふふ、
 あずにゃん先にいっとくねぇー」


「あ、ちょっと待って....」


「水野のやつ気がきくな」


「気がきくなじゃないでしょ、ばか」

まこっちゃんは顔面よしのスタイルよし、学力もトップしかもスポーツ神経までいい。

そんな完璧なまこっちゃんを周りの女子は放っておかない。

だって今、移動教室に行っているだけで《キャー》《やっぱり瀬川くんかっこいいー》とみんな黄色い歓声をあげているぐらいだもん。

《なんなのあの女》

えっ。ふと声がしたほうを見てみると私を睨んでる人がいた。

「梓沙どうしたの?
 そんな真っ青な顔をして」


「どうもしてないから大丈夫だよ」

いつものようにまこっちゃんに笑顔を向けたけど、ちゃんと笑えてたかな。

それよりさっきの人めっちゃ私のこと睨んでた気がする。


ちょっと怖い....