「自分に自信をなくすのは誰だってあるし、魔法みたいに人は一瞬で綺麗になれるわけでもない。
…まあ、俺が言いたいのは、他人の評価なんて気にせず、無理に頑張らなくていいんだよ。遠坂さんは遠坂さんのまま、そのままでいいんだよ」


"そのままでいい"

その一言で、先程まで抱えていた自分の後ろ向きな考えがなんだか馬鹿らしく思えてきて、目頭が熱くなった。


「結論を言うと、遠坂さんに対する気持ちにさっさと気づかなかった俺が100%悪いから遠坂さんの意見を尊重する。遠坂さんが俺と向き合うことにどうしても納得がいかないなら、きみの気持ちが固まるまで俺はずっと待ってる」


七瀬くんの言葉に涙が溢れてきて、視界が滲み出す。


ずっと、ずっと…高校1年生の時から好きだった七瀬くんと両想いになった。

嬉しいことなのに、何故か友達以上の関係になることに躊躇っている自分がいて。

こんな私なんかが彼の隣に並んでいいものなのか、そう思っていた所に七瀬くんが手を差し伸べてくれて。