「俺は好きじゃないからムリ」
彼の冷たい一言が岡田さんの胸に突き刺さった。
「なっ…なんで?あたしの何がいけないの?」
「んー…まず、告白をオッケーされる前提で話している自信満々な態度と二股しようとしてんのか知らないけど彼氏いるくせに他の男に"好き"とか言ってくる時点でどんな神経してんのかなってとこ」
「んなっ…!?」
七瀬くんは冷たい瞳で岡田さんにトドメを刺す。
「あとその厚化粧似合ってないからやめた方がいいよ」
彼の言葉の矢が岡田さんの心臓目掛けて放たれ、見事に的中。
岡田さんは真っ白に燃え尽きた状態でヨロヨロとその場から立ち去って行く。
とんでもない場面を見てしまった私はプルプルと体が震え上がった。
"七瀬くんは女の子をこっぴどく振る"
彼にはそんな噂が出回っていた。
七瀬くんは思ったことをそのまま口に出す人なのは知っていたけど、まさかあんな振り方をするとは……。
そりゃこれまで勇気を出して彼に告白をしてきた女の子は大号泣するわけだ。


