いいなあ、両想い。
「絢ちゃんは彼氏さんと喧嘩ってしないの?」
「しょっちゅうするよ?この前なんか、夏休みに他の女子と遊園地行ってたんだよ?すっごい嫉妬した!」
「え、それ浮気では…?」
「いや、なんか同じ部活の友達の恋を応援するためについていっただけらしいのよ。ウチも誘ってほしかった〜!」
絢ちゃんは、はあ〜っと深いため息をついた。
「彼氏が通ってる学校もウチと同じ共学だし、ウチ以外の女の子と喋ってるだけでもすぐヤキモチ妬いちゃう。ほんと、こんな自分が嫌になっちゃうね」
困ったように笑いながら作ったマフィンをラッピング袋に詰めていく。
「…絢ちゃん、かわいいね」
「…ん?急にどした?チャラ男みたいな口説き方だね」
「いや、好きな人に嫉妬する絢ちゃんがとてもかわいいなと思いまして……」
そう言うと、絢ちゃんはきょとんとする。


