同級生の七瀬(ななせ) 唯人(ゆいと)くん。


透き通るようなきめ細かな肌。

軽くセットされた黒髪。

くっきり二重に眠たそうな瞳。

アンニュイな表情、佇まい、オーラ。

ぽけーっとしているのに成績は優秀で常に学年トップ。


───まさにギャップ萌え。


そしてそんな彼に私は絶賛片想い中である。


高校1年生の頃から七瀬くんに恋をし、気がつけば高校2年生の2学期に突入していた。


だが、ある日の放課後。


「七瀬くん、あの…あたし、七瀬くんが好き!」


(押し付けられた)日直の仕事を終わらせ、そのまま帰ろうとした時。

昇降口の所で告白現場を目撃してしまう。


もう少し時と場所を考えて告白してくれないだろうか…と思いつつそっと下駄箱の影に隠れた。

バレないように顔を覗き込ませると、美人と有名な岡田さんが七瀬くんに告白をしている。


「あたしを七瀬くんの彼女にしてほしい…」


岡田さんは顔を赤らめ、上目遣いで見上げる。

一方、七瀬くんは照れる素振り一切なく、ただ無表情で岡田さんを見下ろしている。


七瀬くんは何て返事するんだろう…


ドキドキしながら彼の言葉を待っていると───