「遠坂さんもこんな小娘とつるんで大変だね〜」
「うっさいバカ条、指へし折るわよ」
「わーっ、こわーい」
心底うざそうな表情を浮かべる絢ちゃんとヘラッと面白そうにしている中条くん。
「あ、遠坂さん今日 日直らしくてさ、昼休み国語準備室にクラス分のノート取りに来いって島センが言ってたよ」
「島田先生が?」
「うん、オレも日直だし、一緒に行こうよ。30人分のノートとか1人じゃ持てないでしょ?」
「そうだね。すごい助かる、ありがとう」
そう言うと中条くんはニッと笑い、「んじゃ、また昼休みに〜」と、手を振りながら教室へ入っていった。
「…そーいや、汐莉って中条と中学一緒だったんだっけ」
「え?あぁ、うん。同じクラスになったことはないけどね」
中条くんは中学の頃から途切れることなく沢山の女の子と付き合っていると有名で、関わったこともなければ、話したこともない。
今年は初めて彼と同じクラスになったが、目立つ人間じゃないのに何故か私の名前知ってるし…
若干───…いや、かなり苦手な人と同じ日直だなんて。
まあ、話すの好きそうだから準備室に行くまでの会話はなんとかなりそう。


