七瀬くん、恋をしましょう



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「…なるほど、気づいたら好きになってたパターンね」


詳しく説明しようとも考えたが、話が長くなりそうだと思った私は簡潔に、わかりやすく、七瀬くんを好きになったきっかけを話した。


「ゔっ、すごく恥ずかしいです…」


今思い出せば、とんでもないことをしていたのだと理解した。

女の子の日に貧血で意識が飛んで、食欲も凄まじくていっぱい食べてたし、体が全体的に浮腫んでいたし……。

私は、最も最悪な姿を彼に晒してしまっていたのだ。


「そう言えば去年の遠坂さんって髪長かったよね」

「んえっ?あ、はい。長かったですね」


声が裏返ったが、なんとか平常心を保ち、七瀬くんの問いに答える。


「お、覚えてくれてたんですね…」

「まあ、あの時のきみインパクト強かった(・・・・・・・・・)からね」


"インパクト強かった"??

どういうことだろう。


「今年は髪切ったの?」

「は、はい。暑いので……」


人差し指で私の毛先をくるんっと遊び始める七瀬くん。

髪に触れられる部分がなんだかくすぐったい。


「ねえ、なんで髪切ったの?」

「えっ…!?」


顔が赤くなっている私を見て、面白がっているのか、七瀬くんは何故か距離を詰めてくる。