ーーー
ーー
『絢ちゃんお誕生日おめでとうっ!』
『ありがとう!汐莉!』
この日は、絢ちゃんの誕生日で放課後、2人でスイーツバイキングに行く予定だった。
『…ん?汐莉、顔真っ青だけど大丈夫?
もしかして今アレ?』
『……うん。昨日来ちゃって……今日2日目なんだよね』
『多い日じゃん!だめだよ汐莉、今日やめてさ、別の日にしない?』
『無理だよ…予約しちゃったし……』
『今からでもキャンセルできないの!?』
『やだ、今日じゃないと意味ないもん……』
絢ちゃんの喜ぶ顔が見たくて、1ヶ月程前から計画を立てていたのに……。
自分の体調が最悪なことに嫌気がさして、じわりと目頭が熱くなった。
『ほら、女の子の日だからなのか、情緒も不安定じゃん。やっぱり帰りな?』
『絢ちゃん…』
『ウチのことはいいからさ、まずは汐莉の体調が最優先っ!また別の日にスイーツ食べに行こ?』
よしよしと頭を撫でてくれる優しい絢ちゃんに自分を呪いたくなった。
『……ごめんね』
『いいよ、汐莉が元気になってくれたらウチは十分幸せだよ』
ひしっと絢ちゃんに抱きつき、再び『ごめんね』と呟いた。


