「な、七瀬くん、前も言いましたけどっ!思わせぶりな態度や言葉は、いつか酷い目にあうんですからね!?軽々しく相手が喜ぶような発言はやめてもらえませんか!?」
「思わせぶりなことなんてしてないけど……」
「無自覚だともっと質が悪いです!!」
「んー…でもさ、俺はきみから恋を教わってハッピー、きみは俺のこと好きだから俺と一緒にいられてハッピーになって、お互い相互利益を得ることができるよ」
「そんなのっ、全然嬉しくありません!!私はっ…七瀬くんと両想いになれた方がよっぽどハッピー…です……」
大胆なことを本人の前で発言してしまい、ぶわっと顔に熱が集まっていく。
両想いになりたい、とおこがましいことは言わないつもりだったのに、つい本音がポロッと口に出てしまった。
不覚…ッ!!
穴があったら入りたいとはこのことか…。
「……遠坂さんっていつから俺のこと好きなの?」
「へっ…?」
今、それ聞く…?
「気になるじゃん。いつ・どこで・何をきっかけに好きになったのか」
「え───っと……」
七瀬くんを好きになったのは本当に些細な出来事にすぎない。
そして、七瀬くんに対する想いを自覚したのはちょうど1年前───。


