「んごぼほっ!!?」


品のない声を上げると隣に座っていた七瀬くんが驚いた顔でこちらを振り向く。


「げっほげっほ…!!」

「だ、大丈夫?」


七瀬くんが焦った表情で背中をさすってくれる。


「ふ、普通に吸っただけなのにタピオカが一粒丸々喉の奥に流れ込んでいって、危うく死にかける所でした…!」

「え、怖っ…」


タピオカがこんなにも恐ろしい飲み物だとは思わなかった……。

絢ちゃんが美味しそうに飲んでいた所は何度も見たことがあったけど、もうこれからはタピオカ飲めないかも。


「…あのさ、今更なんだけどさ。遠坂さんは何で俺のこと好きなの?」

「んぐっ…!?」


またもや唐突な発言に飲んでいたタピオカミルクティーを吹き出しそうになった。


「な、何故急に…?」

「…なんとなく。自分のこと好きになってくれるのは嬉しいことだけど、何で俺なのかなって。
俺みたいな奴よりもっとかっこいい人いっぱいいるのにね」

「ご謙遜なさるんですね…」

「……謙遜っていうか、いつも思うんだよ。"俺のどこがいいの?"って……」