「…七瀬くん」

「何?」

「……膝枕、楽しいですか?」

「うん、楽しい」


ある日の放課後。

私たちは図書室のくつろぎスペースでソファに座ってまったりとしていると、七瀬くんが膝枕をしてほしいと要望してきたので、恥ずかしいと思いながらもすることに。

一方、七瀬くんは腕を私の腰に回し、眠たそうにウトウトしている。


七瀬くんと付き合っておよそ1ヶ月。

抱きしめられたり、キスされたり…未だに慣れない。

私はこんなにも心臓がバクバクしているというのに、彼は相変わらずいつも通り。


…膝枕するんだったらスカートの丈長くしておけばよかった。七瀬くんの髪が膝に当たっててくすぐったい。

ため息をつき、私の腰に抱きつくように寝ている七瀬くんの頭にそっと手を置く。

なんだか大きい猫が飼い主に甘えてるみたい。


撫でるのをやめると、もっと撫でてと言わんばかりの瞳で見上げてきて、思わずキュンッ…、胸がときめいてしまう。

七瀬くんの可愛さに噛み締めていると、ふと首筋に目がいく。


「七瀬くん、首筋にほくろがあるんですね!」


ぷすっと人差し指でほくろを押すと、七瀬くんは「ゔっ…」とくすぐったそうな声を漏らした。