曇りなき眼で見つめられ、それに耐えられなくなった私は、両手で七瀬くんを押しのける。
心臓が徐々に高鳴り出し、目の前の彼に聞かれるのではないかとヒヤヒヤさせながら、私はある提案をする。
「……ま、まずは!!恋を知りましょうっ!!」
私の発言にきょとんとする七瀬くん。
「どうやって知ればいいの?」
「女の子と関わるんです…!!」
「今 関わってるよ」
「……あ」
そっか、今、私と喋ってるからカウントされてるんだ。
七瀬くんが私を女の子として認識してくれているなんて、嬉しいな……。
「あ、俺 いいこと思いついた」
七瀬くんの瞳が少しだけ光ったような気がした。
「遠坂さん、俺と付き合ってみない?」
七瀬くんの口から衝撃的な発言が出てきてピシッと固まってしまう。
その後、ワナワナと体が震え出し───、
「……七瀬くん」
「ん?何?」
バッと勢いよく顔を上げ、七瀬くんを睨みつける。
「そんな軽い気持ちで"付き合おう"だなんて言ってはいけません!!!」
「えっ…」
多少驚いたのか、七瀬くんは目を見開いた。


