な、なにそれ…!
七瀬くんの言葉にぽかんとする。
「そ、そうゆうこと思ってるならあんなキツい言い方じゃなくて、もっと優しく言ってあげてください…」
「キツい言い方の方が案外吹っ切れて次に進めるもんだよ」
そう言う七瀬くんの表情がどこか悲しそうで。
「俺なんかよりもずっといい奴世の中に沢山いるんだからもっと視野広げて他の男とうまくいってほしいなって思ってる」
───七瀬くん。
切なそうに遠くを見つめる七瀬くんにきゅーっと胸を締め付けられた。
「まあ、俺、恋したことないからそうゆうの全然よくわかんないんだけどさ」
ズコッ。
彼の発言に思わず転びそうになる。
せっかく心に響くようなこと言ったのに今ので台無しじゃん。
…ってか、ええっ!?
「七瀬くん、恋したことないんですか!?」
「ないけど」
「一度も!?」
「一度も」
「うそーっ!?」
「ほんと」
衝撃のあまり、あんぐりと口が開いた。


