「あれ?柚葉、どうしてここにいるんだ?」

 蓮也の能天気な物言いにカチンとくる。

「どうしてって…」

 明らかに何かあったって顔を二人がしてる。蒸気した頬に潤んだ瞳。二人して何なのよ。焦りと怒りで体が震える。

「二人こそ何しんのよ!」
「…え?何って公園で遊んでただけだよな。な。もも。」
「…うん…」

 蓮也が緩み切った顔でももちゃんを見る。今はいつもに増して甘い。そんな顔してももちゃんを見ないで。

「ももちゃん、蓮也になにしてくれてるの!」

 私は追い打ちをかけるように大声をあげた。彼女はびくっとして服の裾を強く握りしめながら恐る恐る顔を上げて私を見つめた。さっきの表情とは一転、真っ青になり小刻みに震えている。

「ねぇ、聞いてるんだけど?」
「ご、ごめん...」

 ももちゃんは目に涙をためて零れ落ちそうなのをぐっと我慢している。

「ごめんってどういうこと?泣きたいのはこっちなんだけど」

 キツイ言葉がどんどんあふれる。ももちゃんが悪いわけじゃないのは十分わかってる。でも、彼女を攻撃する言葉ばかりが口から出る。怒り、悲しみ、悔しさ。いろいろな感情が私の心の中で激しううごめく。