智くんとレンくんと柚葉ちゃんが仲良く3人で盛り上がる中、ふと隣の諒太くんを見る。彼はぼーっと前を見ながらひとりたまに料理を口に運び飲み物を一口。独特な空気感を持つ。そんな彼に興味がわく。何を考えてるんだろう。

「ねぇ、諒太くん。すっごくおしゃれだよね。諒太くんにすごく似合ってる。」
「は?そう?ふーん」

 褒められたのにどうでもよさそう。思わず笑みがこぼれる。

「私はセンスがないからうらやましいな。もうすこしおしゃれしたいんだけど」
「そのままでいいんじゃない?ももの雰囲気にすごく合ってる。」
「本当?ふふっ。ありがとう。」

 諒太くんに褒められるとすごくうれしい。何だろ。ツンデレ猫に褒められたみたいな...

「あ、もも。二人で内緒話してる。ズルい。」
「え?ズルいって…諒太くんがおしゃれだねって話してただけだよ。」

 レンくんが拗ねたように話に入ってきた。

「あ~。諒太は独特すぎるよな。でも確かにセンスある。よく俺の服選んでくれるしな。その人その人の似あう服を選ぶのがうまいんだよ。」
「へ~。じゃ、そのレンくんの服も諒太くん?」

 さわやかな空色のボーダーシャツにカーキーのシャツを羽織った今日のファッション。シンプルだけどすごくレンくんにあっている。

「あ、これは柚葉。俺ファッションセンスないから二人がよく選んでくれるんだ。」

 その言葉にツキンと胸が痛んだ。柚葉ちゃんが着ているシャツワンピースの中の紺のボーダーシャツに目線が行く。指し色で胸元だけ見える。色は違うけど同じボーダー。まるでペアルックみたい。また仲の良さを目の当たりにして無駄に胸が痛んだ。

「蓮也こそホントに残念だよ。その顔を生かせてないんだから。」
「へ、へぇ。いいなあ。私も二人に選んでもらいたい。あはは。」

 落ち込むのを気づかれないように無理に明るく言った。

「じゃあ、選んであげる。ももをプロデュースするの楽しそう。」
「え?」

 驚いて諒太くんを見た。何にでも関心なさそうだった諒太くんがそんなこと言うなんて。

「いいね!そうしようよ。みんなでショッピング行こ。」

 ノリノリな柚葉ちゃん。

「楽しそう!俺も行く!」

 手を挙げて参加を表明する智くん。

 なんだかまた遊ぶことになったようです。