「諒太も一緒に来たがってたよ。珍しく。アイツ意外に甘い物好きだからな。」
「諒太くん?」
「ね。諒太、授業で来れなかったものね。」

 新しい男の話が出る。その後に続いた言葉に何故かドキリとした。

「この後諒太と飲むけど、ももも来る?もう仕事おわるだろ。」
「「え?」」

 ももちゃんと美女の声がハモった。ただももちゃんが飲みに誘われているだけなのにズンと胸に響いた。

「え?いいよ…私は。友達同士で楽しんで。」
「ええ~?ももも友達じゃん。おいでよ。な?柚葉?」
「う、うん。ももちゃんが良かったら一緒に行こう?」
「え...でも...」
「ほら。行こうぜ?」
「……」

 なかなか首を縦に振らないももちゃんのもとに俺は向かった。

「どーも、こんにちはーっす」
「え?智くん?」

 ももちゃんが目を大きくして俺を見た。

「それ、俺も参加していい?今、すごく酒が飲みたい気分。」
「「「………」」」

 急に登場した俺に3人の視線が集中する。

「あ、こちらは一緒に働いてる先輩。智くん。」
「どーも!智でーす」
「あ、どうも。こんにちは。」
「ね?ももちゃん、一緒に行こうよ。」
「え?...」

 ももちゃんが戸惑ったように3人を見る。

「君たちってももちゃんの同級生?俺も行っていい?」
「あ、はい。ぜひ」
「ねぇ、ももちゃん行こうよ。お酒飲みに行こうよ~」

 しつこく誘うとやっと首を縦に振った。

「うん。智くんが行くなら行こうかな。」
「やったー!楽しみ!」

 こうして俺はももちゃんと一緒に初対面の子達との飲み会に参加するようになった。