(お目々、大丈夫ですかー?)

 迂闊なことを言うと何倍にもなって返ってくることを長年の付き合いでわかっているレーヴは、思ったことをそっと胸にしまった。

「誰だ、おまえ……」

 初対面だというのに、不躾な態度でデュークを見るジョージに、レーヴの目がコバエを見るような目から蛆虫を見るような目にランクダウンする。
 不快さを隠そうともしていないレーヴに、デュークは警戒を強めた。

(初対面のデュークになんて態度なの⁉︎ 騎士だというなら、それらしく礼節を重んじなさいよ!)

 いくら相手が幼なじみの知り合いだとしても、これはない。
 幼い頃は人見知りだったが、今や近衛騎士にもなった男だ。社交術くらい、持ち合わせているだろう。