「このクローバーは、僕が彼女のために用意したものだからあげられない。けれど、これを見つけた場所なら教えてあげられるよ」

「本当? ねぇ、どこにあったの? 教えて!」

「オレもオレも!」

 ワァワァと耳が痛くなるくらい騒がしい子どもたちに嫌な顔一つせず、デュークは「あの辺りだよ」と離れた場所を指差した。

「えぇ〜どこぉ?」

「わからないよ。ねぇ、案内して!」

「……仕方ないな。ごめんね、レーヴ。ちょっと行ってくるよ」

 言うが早いか、デュークが立ち上がる。
 持っていた四つ葉のクローバーをレーヴへ握らせ、通り過ぎる瞬間に彼女の頭をポンポンしていった。

「……ひぇぇ」

 残されたレーヴは顔を赤く染め、確かめるように何度も何度も自分の頭を撫でた。