「四つ葉のクローバーはね、幸せのお守りになるんだよ! ぼくたち、探しているんだ」

「しおりにして持っていると、いいことが起きるんだって!」

 果たして、魔術で変化させた三つ葉のクローバーにご利益はあるものなのか。
 物欲しそうにデュークの手元を見ている子どもたちに、レーヴはどうしたものかと悩んだ。

(正直、あげたくないのよね)

 だってそれはきっと、デュークがレーヴのために作ってくれたものだから。
 今日の記念に取っておきたいと。そう言った彼女のために、プレゼントしようとしてくれたもののはずだ。

(でも、本当にそうなの? 私が勝手に思っているだけじゃない?)

 困惑の表情を浮かべてクローバーを見つめるレーヴから、デュークは思案するように視線を外した。
 それから「おいで」と子どもたちへ呼びかけ、内緒話をするように頭を寄せ合ってからこう言った。