受難体質の女軍人は漆黒の美形獣人に求愛される

 何も言わないが、穏やかに微笑む顔は、わかっているよと告げているようだ。
 彼は知っているのだ、レーヴのことを。おそらく、たくさん。

 レーヴは美人じゃない。となれば、一目惚れということはないだろう。
 きっとデュークは、長い時間をかけてレーヴのことを見ていたはずだ。そしてある程度知った上で、レーヴに恋をしたはず。

(それでもやっぱり、私に恋をするなんて変わってる。私なんかのどこが良いのかしら)

 デュークと関わることは任務だ。国からの命令に、レーヴは背けない。
 だけど、任務だから仕方ないという気持ちは、一人で過ごした三日間で消えた。

 魔獣から獣人になる。恋が成就しなければ消滅してしまう。
 そんなリスクを冒してまでそばに来てくれたデュークに、失礼なことはしたくない。
 だからレーヴはレーヴの精一杯で、彼と向き合うと決めたのだ。

「髪が黒いから、青毛かしら? それとも、青鹿毛?」