到着した芝生エリアでは、すでに何組かのグループがのんびりと過ごしていた。
　そんな中、芝生の中にところどころ生えたクローバーの群生を見つめる子供たちに気がつく。

「あれは何をしているのだろう？」

　デュークもレーヴと同じものを見ていたらしい。不思議そうに眺めている彼の手を引いて、レーヴは近くにあったクローバーの群生のそばへしゃがみ込んだ。

「こうやって、探しているんですよ。ここにはないみたいですけど……たまに、四つ葉のものがあるんです。四つ葉のクローバーは、幸運のお守りですから」

「そうなのか。レーヴも、ほしい？」

「そうですねぇ。もし見つかったら、今日の記念に取っておきたいなぁとは思います」

　ランチを食べ終えたら、腹ごなしに四つ葉のクローバー探しなんてどうだろう。デートというには子どもっぽいかもしれないが、友だちならセーフに違いない。たぶん。
　レーヴが「さて」と立ち上がろうとしたら、デュークの腕が伸びてきて、彼女の目の前にあった三つ葉のクローバーをプチンと摘んだ。