デュークが唇を離したとき、既に刻印は変化していた。
 馬の紋様と薔薇の紋様を掛け合わせたような刻印は、美しくレーヴの胸元を飾る。

「あ……」

 新たな刻印を、レーヴが見る。

「どう、かな?」

「すてき」

 嬉しそうに頰を緩めて新しい刻印を指先で撫でるレーヴに、デュークはわかりやすく安心していた。
 レーヴはデュークが呪いの刻印のことをひどく気にしていることを感じていた。いつか刻印を見ながら「こんなこともあったね」と笑い合えるようになればいい。どんなに時間がかかろうとも、二人はずっと一緒なのだから。