「痛いよ、レーヴ」

「ちっとも痛そうに聞こえないわ」

 レーヴが冷たく返すのは、気恥ずかしいからだ。

 デュークは、細やかなじゃれあいでさえ幸せだという風にふにゃりと笑う。

(まぁ……馬のままじゃあ、あんなことはできないわよねぇ)

 昨夜は、デュークは一体どれほど我慢していたんだとレーヴが心配になるくらい──正直に言えばちょっと引き気味になるくらいには──いろんなものを教えられた。
 たった一晩で、レーヴは今までとは違う自分になったような錯覚を感じている。

(私のお尻、少しはシェイプアップしたんじゃない?)

 揉み過ぎて脂肪が燃焼するんじゃないかと心配する日が来るなんて、レーヴは思いもしなかった。