受難体質の女軍人は漆黒の美形獣人に求愛される

「責任取るよ。だから機嫌を直して。ね?」

「本当? じゃあ、遠慮なく」

 不機嫌だったのが嘘のように、デュークが艶やかに笑う。
 鼻歌を歌いながらレーヴを抱き寄せるデュークに、今度は彼女の方が不機嫌な表情を浮かべる。
 ムッとわずかに突き出された唇が、かわいくてたまらない。デュークは遠慮なく、唇を寄せた。

 合わせられた唇は、やわらかかった。
 唇を両手で隠しながら、レーヴは怒る。

「初めてだったのに……!」

「僕もだよ。ずっとしたかったから、嬉しい」