受難体質の女軍人は漆黒の美形獣人に求愛される

 レーヴの台詞に、デュークは呆気に取られたようにポカンとした。
 それから気が抜けたようにため息を吐くと、「降参だ」と言ってようやく笑みを見せてくれる。

「君には敵わないよ」

「先に恋をした方が負けって言うしねぇ」

 デュークは悔しそうだ。
 そんな彼が、撫で回したいほどかわいくて愛しい。

「君ときたら、僕のことをお姫様だとか思っていやしないだろうね? 見てわかるだろうけど、僕は男なんだよ。お姫様を救い出すのは王子様の役目だって言うのに……かっこよくて、惚れ直すじゃないか」

「えっと、ありがとう?」

 褒めているのか責められているのか微妙なところだ。
 よくわからなくて誤魔化すように笑うと、デュークが納得いかないと軽く睨んでくる。