「死が二人を分かつまで、二人の命はつながれる──」

 聞こえてきたレーヴのせりふに、デュークは慌てた。
 草原に、馬の悲痛ないななきが響く。

「──悪魔オロバスの名の下に、この契約を結ぶ」

 短い言葉を言い終えると、デュークの体がぐにゃりと歪んだ。
 デュークの体を紫色の霧が包み込み、寄り掛かっていたレーヴの体が支えを失って草原へ転がる。同時に左胸が焼けるような痛みを覚え、彼女は胸を押さえて胎児のように体を丸めて呻いた。

「……っぐ」

 痛みに顔をしかめ、レーヴは耐えきれず草の上を転がる。