(さぁ、やらなくちゃ)

 レーヴからしてみたら、今から行うことの方が重要な任務である。
 気を鎮めるために深呼吸をして、レーヴは口を開いた。

「ねぇ、デューク。もしも、痛かったり、苦しかったり、嫌なことがあったら迷わず逃げてね。私のことなんて、置いていっていいから。でもそうじゃなかったら、ここにいて。私の覚悟を、見ていてね」

 馬の姿のままだというのに、レーヴにはデュークの表情が不審そうに歪んで見えた。
 目を閉じたままでも感じる心配そうな視線に、レーヴは「私は大丈夫」と力強く答える。

 好きだなぁ、とレーヴは思った。呼吸するように、自然にそう思う。
 ただただ愛しいという気持ちだけを持って、レーヴはデュークへプロポーズするような気持ちで、呪いの言葉を言い放った。