予想していた通り、夜の草原は綺麗だった。
 煌びやかなロスティの王都にはない、素朴ながらもすばらしい眺めに、デュークとレーヴはそろって感嘆の息を吐く。

 草原には、誰もいなかった。
 まるで世界から切り離されたような闇を、月明かりと星の光が優しく照らしている。

 デュークから降りたレーヴは、「もう限界!」と言ってその場に寝転がった。
 草を撫でる風からレーヴを守るように、デュークは彼女のそばへ座り込む。

(私って幸せ者よね)

 デュークはどんな姿をしていたってデュークだ。
 相変わらずの彼に苦笑いを浮かべながら、レーヴは不自由な体でなんとか彼に這い寄る。

「星が綺麗ね」

 レーヴはデュークの広い腹に上半身を預け、空を見上げた。
 今にも掴めそうなくらい、星がよく見える。
 ちらりと横を見ると、デュークも同じように空を見上げていた。