受難体質の女軍人は漆黒の美形獣人に求愛される

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 ディンビエの首都にあるロスティの大使館は、首都の外れにあった。
 到着するなり、整列していた男たちの一人が一目散に走り寄ってくる。

 レーヴは崩れ落ちそうな膝を叱咤し、デュークの背から降りた。キリリと表情を引き締めて、彼女は向かって来た男に向かって敬礼する。

「早馬部隊王都支部所属、栗毛の牝馬ことレーヴ・グリペンと申します。ただいま、総司令部からの任により、書状をお届けに参りました」

 男はレーヴがあいさつすると、目を潤ませて「あなたがあの……!」と憧れの人を見るような目で見てきた。