受難体質の女軍人は漆黒の美形獣人に求愛される

 そう言って差し出されたメモには、たしかに結婚の宣誓のような言葉が書かれていた。

【死が二人を分かつまで、二人の命はつながれる。悪魔オロバスの名の下に、この契約を結ぶ】

 確かめるように読み上げようとしたレーヴを、ロディオンは慌てて制した。

「デュークのための言葉だが、万が一ということもある。呪いをかけるのは周りに人がいない場所が良いだろう」

「わかりました」

 レーヴがもらったメモを丁寧に内ポケットへしまうと、タイミング良くマリーが戻ってきた。
 ハリケーンが通過していったような室内の様子に彼女はおっとりと「あらまぁ」と言った後、「準備ができましたので、そろそろ参りましょう」と手招きした。