受難体質の女軍人は漆黒の美形獣人に求愛される

(そうよ。魔獣の姿になっているということは、もうすでに私への気持ちがないってことなんじゃないの?)

 考えれば考えるほど、その通りだとしか思えなくなってくる。
 そうじゃないと、違うのだと思いたくてデュークを見ても、やっぱり視線を外されて。レーヴはやっぱり、と悲しくなった。

(デューク……嫌だよ、デューク……)

 子どもみたいに泣いてしまいたかった。
 泣いて喚いて、こっちを向いてと叫んだら、見てくれないだろうか。

 グッと目に力を入れて、泣くのを我慢する。
 そんな中、走馬灯のようにデュークとの思い出が頭の中に浮かんでは消えていった。

 ぼんやりと身を任せていたら、レーヴは気づいてしまった。

(なんで、今……?)