「うちの娘が申し訳ない!」

「あなたも元獣人なら分かりますよね? この国がどれだけ獣人の保護に力を入れているのか」

「わかっている」

「お嬢さんはもちろん、あなたも、そしてあなたの妻も、罰せられるでしょう。あなたと奥さまには実績がありますから、恩赦があるかもしれません。でもお嬢さんは……最悪極刑も考えられます」

 元獣人の子どもが、獣人の恋について知らないわけがない。
 知っていて、ジョージのために危険を犯したとするのなら、国は絶対に彼女を許さないだろう。罪の重さで言えば、殺人よりも重い。

 そしてもちろん、マリーだって到底許せない。あんまり腹が立つものだから、獣人の子どもという珍しい存在であるエカチェリーナを、人体実験してやろうかとも思った。