しかし、その教えを彼女は曲解してしまったのだ。

 レーヴの幼なじみであるジョージに恋したエカチェリーナは、彼が振り向いてくれないのはレーヴのせいだと思って彼女をいじめ抜いた。
 それがジョージにバレて接触禁止令を出されていたものの、彼らの婚約破棄を聞いて逆上。
 その結果、レーヴを拉致監禁して弱らせ、ジョージとの婚約を認めさせようとしていたらしい。

「好きなら、ご自分のものにすれば良いではないですかっ」

「ごもっとも」

 うんうんと頷くロディオンに、マリーの鋭い視線が突き刺さる。
 そんな二人を前にして、エカチェリーナはまだ反省するつもりがないようだ。整った顔をムッスリと歪ませて、美貌を四割減させている。