受難体質の女軍人は漆黒の美形獣人に求愛される

「どうなっているのかしら、この蔦は。デュークの一部なのだとしたら、チョン切ってしまうのはかわいそうよね。うーん……でもちょっぴりならセーフかしら? ちょっぴり、ほんの指先程度。それくらいなら……」

 マリーの不穏な言葉に、蔦が抗議するようにビタンビタンと壁を叩く。

 どうやら蔦は人語を理解するらしい。
 ウォーレンは興味深げに蔦をしげしげと眺めた。

「ふむ。おい、蔦。質問に答えることはできるか?」

 ──びたん。

 蔦は確認するようにウォーレンを見るようなしぐさをして、それから壁をたたいた。

「イエスなら一回、ノーなら二回叩け。おまえは、デュークの一部なのか?」