「どういうことなの⁉︎」

 訳がわからない。
 しかし、ジョージの尋常じゃない様子からいって、とにかく何か危険な事態に陥っていることはわかる。

「私にできることは……」

 部隊に戻れ、とジョージは言っていた。
 きっと、彼はそのためだけにここへ来たのだ。
 早馬部隊王都支部所属のレーヴ・グリペンが必要になるようなこと──それは、

「戦争が、はじまるっていうの?」

 レーヴは戦争を知らない。戦争なんて、レーヴの祖父母の時代のことなのだ。「早馬部隊じゃなくて郵便部隊でいいじゃないか」なんて仲間と笑っていたくらいなのに、どうして今なのだろう。