「どうやったら扉が開くのかしら」

 レーヴが失踪して、誰も探さないということはないはずだ。
 病欠ということにしたって、アーニャが放っておくはずがない。

 他の任務を与えられて不在という場合も、ジョシュアが放っておくわけがない。
 誰かが探しにきてくれるのを待つか、それともエカチェリーナの反応を待つか。

(どちらにしても、塔の上のお姫様よろしく待っているしかないってわけ?)

 体力温存という意味では、それが一番望ましい行動だ。
 けれどレーヴは、嫌だと思った。

「一刻も早くここから出て、デュークに想いを伝えたい!」

 ようやく自覚した恋を、デュークに伝えたくて仕方がなかった。