この閉鎖的な部屋に拉致されてきてから、どれくらいたったのだろう。

 出入り口は一つだけ。室内側から出る前提で作られていないらしく、扉はつるんとしていた。窓もない部屋では時間の経過もわからず、今が何時なのかもわからない。

「体感時間的にはそんなにたっていないと思うけど……短いとは言えなくなってきたわね」

 扉の横にある小箱には定期的に食べ物が届けられているので、餓死する心配をしなくていいのは良かった。シャワーもトイレもあるし、生活する分には問題ない。
 とはいえ、レーヴが拉致監禁されている事実は変わらない。レーヴは部屋の中央に置かれた寝心地抜群のふかふかなベッドへ寝そべり、やることもなくため息を吐いた。