蔑ろにされがちの王族たちは、彼の人気にこれ幸いと、王族の人気奪還のために第二王子の露出を増やしていた。

 彼がより目立つよう、彼の警護を任せる小隊もこだわって編成している。
 ジョージやエカチェリーナは、客寄せというか国民寄せの意味もあった。

「ハァァァァ……」

 とびきり深いため息を吐いて、ジョージは机へ突っ伏した。
 彼の背後にはドロドロとした負のオーラが見えるようで、わかりやすく凹んでいる男に、第二王子ことアーリャは苦笑した。

「君がそんな風になるのを久々に見たよ」

「んー……」

 数日前から軍司令部より王族の外出禁止が発布され、アーリャは部屋で執務をする以外やることがない。そのため、警護をする人が減らされ、彼の警護を担当しているジョージは休憩時間が増えた。