さすがハーフというべきだろうか。もちろん、嫌みで。
 残念そうに見遣るレーヴに、エカチェリーナが肩を怒らせた。

「どちらですのっ⁉︎」

「どちらって……」

 そんなの、答えは簡単だ。
 レーヴはジョージのことを幼なじみとしか思っていない。

 デュークに会う前からそんな気持ちじゃなかったし、デュークへの気持ちを自覚した今はなおさらだ。
 だからレーヴは、躊躇わず答えた。

「いいえ」

 レーヴの答えに、エカチェリーナは静かに「そう」と答えた。  
 聞くに耐えない嫌みを浴びせられると思っていたレーヴは、拍子抜けする。
 だけど、その油断がいけなかった。