「良くはない……」

 仏頂面で呟くレーヴに、アーニャはどうしたものかと頭を悩ませる。
 だけど結局のところ、アーニャが悩んだって何も解決しやしないのだ。すべては、レーヴ次第なのだから。

「難しいわね」

「うん……」

「よく考えなさい。私は話を聞くことしかできないけれど、もし何かできることがあれば遠慮なく頼ってちょうだい」

「うん……ありがとう、アーニャ」

 力なく笑うレーヴの頭をくしゃりと撫でて、アーニャはせめてこれくらいは、と買ってきたパンを彼女の机へそっと置いたのだった。