アーニャから「許してあげて」と言える状態でないことはわかっている。
 だが、レーヴの様子を見ていると、言ってあげた方が良いのでは、とも思うのだ。

 レーヴとジョージは幼なじみだ。彼らの間には、アーニャにはわからない、情があるのかもしれない。

 彼女の目には、レーヴがジョージのことを切り捨てられないで苦しんでいるように見えた。

「ねぇ、レーヴ。このままで良いの?」

 余計なお世話だと思ったが、言わずにはいられなかった。

 レーヴにひどいことばかりするジョージは嫌いだし、彼女を傷つけようとしたことも許せない。
 けれど、レーヴには後悔をしてもらいたくなかった。彼女を娘のように思っているからこそ。