「デューク?」

 不思議そうに名前を呼ぶレーヴに、デュークはいたたまれなさを感じて視線を外した。
 残念そうに表情を曇らせる彼女に、らしくもなく舌打ちしたくなる。

「あの……そんなに見つめないでくれないか? 嬉しいけれど、その……僕もオスだから、いろいろと困るんだ」

 困ると言いながら、デュークはレーヴを抱く手を離すそぶりもない。

 でも、デュークが言わんとしていることもわからないでもない。レーヴは少しだけ残念に思いながら、手を浮かせた。

「ごめんね」

「いや、僕の方こそごめん」

 苦笑いを浮かべ合って、ジリジリと体を離す。
 レーヴはやっぱり離れ難さを感じて、名残惜しげに思う気持ちを止められなかった。