レーヴが目を覚ました時、そこは早馬部隊王都支部だった。

 来客用の二人掛けソファはふかふかで、座り心地はもちろん寝心地も悪くないことをレーヴは初めて知る。

「あれ……? 私、デュークと一緒に馬車に乗っていたはずじゃ……」

 まさか会いたいあまりに見た夢だったのだろうか。

「それはそれで恥ずかしすぎる……」

 ぼんやりした頭のまま、ソファから起き上がる。

 テーブルを挟んだ向かいのソファへ腰掛けていたアーニャの、ニマニマとした訳知り顔と目が合って、レーヴはパチパチと瞬きした。

「おはよう、レーヴ」

「おはよう、ございます?」

「よく寝ていたわねぇ」