「デューク?」

「教えてあげるから、おいで」

 早く来ないと、どうなるかわからないぞ。
 そんな気持ちを視線に乗せ、デュークは艶然と微笑む。

 レーヴはびくんと体を震わせ、あわあわと戸惑いながら慌てて手を取ってきた。
 水属性は流されやすい。まさに今、彼女は流されている。

「ここへ座って」

 言いながら、デュークはレーヴの脇の下に手を差し込み、掬い上げた。
 広くはない馬車の中で暴れるわけにもいかず、レーヴは不安いっぱいの顔でおとなしくしている。

 向かい合うような形でデュークの太ももを跨いだレーヴの内ももが、きゅっと締め上げる。乗馬する時の癖なのだろう。

 待ち望んだ感触に、デュークは思わず懐かしく思ってほっと息を吐いた。