「と、とにかく! 武器を探さなくちゃ」

 レーヴは棒切れの一つでも落ちていないかと辺りを見回す。
 少し離れたところに良さそうな物を見つけ、走り出そうとした。

 ──ヒュンッ!

 レーヴの後方に、何かが落ちてくる。
 慌てて振り返る彼女の目の前で、

 ──ダダン!

 華麗に着地したのは、デュークだった。

「……は?」

 デュークが空から降ってきた。
 そう。文字通り彼は、降ってきたのである。

 レーヴは意味がわからず、ギギギと壊れたおもちゃのように高い塀をまじまじと見上げ、改めて確認するようにデュークを見た。

 驚きに目を見開いて硬直しているらしい彼女に、デュークはしばし適度な距離を保ってじっと見つめていたが、レーヴが動かないのを見て、軽く跳ねるような足取りで走り寄る。